国民文化祭だより 3

公開日 2007年04月17日

さて今回は、今山農村舞台を紹介します。

 

徳島県内にあるいくつかの農村舞台では定期公演を行っています。これらは人形浄瑠璃をメインとした公演活動です。

今山農村舞台でも平成14年9月、50年ぶりに人形浄瑠璃公演を復活させ、その後定期的に公演を開いています。

公演では人形浄瑠璃に限らず様々なジャンル の舞台芸術の組み合わせを企画しました。

これは徳島ならではの文化である人形浄瑠璃のほかにも付加価値をつける考えです。

また今山にとっては、「ひかりと影」も重要なモチーフです。ひかりを演出する手段として、かがり火、和ろうそく、あんどん、螢などがあります。影の演出は夕闇、影あそびなどがあります。

劇場では客席側の照明はおとされ舞台にライトを当て、観客が舞台に集中するように仕組まれています。この劇場の効果を農村舞台で発揮したいと考えています。

昼間、野外では鳥の鳴き声、車の騒音などが耳に入り観客は舞台に集中しづらくなります。しかし夕闇が迫り登場人物(人形)が和ろうそくで照らし出されると、観客が舞台に集中する雰囲気を醸し出します。

どうぞ人形と舞台が織りなす幽玄の世界を堪能ください。

 

最後は、今山農村舞台保存会代表 山本靖博さんに登場してもらいます。

 

 

 

 

今山農村舞台今昔

 

今山農村舞台保存会は今山地区に古くから受け継がれてきた舞台及び舞台公演を保存し、後生に伝承する目的で平成10年に発足した。

平成14年に東京理科大学川上光洋先生の調査により、日本でも珍しい平舞台から人形浄瑠璃専用の舟底舞台へ転換のできる仮設舟底舞台であることが発表され話題となった。

そこで地元の村人も少しずつではあるが農村舞台を大切に保存しなければという意識が高まってきた。

勝浦座の協力を得て毎年開催している「春公演」と地元の村人が出演する「秋祭り公演」を復活させたことで、会員同士のみならず忘れられつつあった里山の心とふれあいの輪が農村舞台を中心に広がりつつあるのは喜ばしいかぎりだ。

 

今山農村舞台保存会代表 山本靖博

今山農村舞台春公演 1

今山農村舞台春公演 1_s

※クリックで拡大

 

今山農村舞台春公演 2

今山農村舞台春公演 2_s

※クリックで拡大