公開日 2015年06月09日
このたび、坂本地区にある森本家住宅の主屋・離れ・納屋・古蔵・新蔵・表門の計6棟が、平成27年3月26日付けで国の登録有形文化財原簿に登録されました。
今回が、勝浦町では初めての登録となります。
○登録有形文化財建造物制度とは
登録有形文化財建造物制度とは、文化財建造物を守り、地域の資産として活かすための制度です。
登録基準として、原則50年を経過したもののうち、以下の評価を受けた歴史的建造物が登録有形文化財として登録されます。
1 国土の歴史的景観に寄与しているもの
2 造形の規範となっているもの
3 再現することが容易でないもの
<森本家住宅登録有形文化財建造物>
主屋
森本家は元禄時代が初代という由緒をもち、文化年間(1804~1818)から庄屋、1906年と1918年には、当主が棚野村長を務めました。
江戸末期に建てられ、明治後期に改修された主屋は、屋根は寄棟造りの茅葺きを鉄板で覆い、四方に本瓦葺きの庇屋根を廻しています。離れ
明治後期に建てられた離れは、八畳と六畳の座敷を並べ、ケヤキやツガ、屋久杉などの良材が使われています。
また、技巧的な床脇や精密な透かし彫り欄間など美しい造りとなっています。
軒下と下屋の間の狭い壁を青色の色漆喰で仕上げるなど、目立たない箇所への気配りも見られ、見応えのある近代和風建築物となっています。
納屋
明治期に建てられた二階建ての納屋。主屋正面を囲み、屋敷地の景観を引き締めます。
古蔵
文化6年(1809年)に建てられた古蔵は二階建ての土蔵で、近世の庄屋の屋敷構えを伝えます。
新蔵
明治40年に建てられた新蔵は、漆喰の彫刻で火災から建物を守るまじないである「懸魚」や窓枠に装飾が施され、意匠的な工夫が見られます。
表門
離れと同時期に建てられたと推定される表門は、間口一間の薬医門で切妻本瓦で鬼瓦に鳥襖を載せ、破風拝みに鰭付懸魚が吊されています。
屋敷地の入り口を飾る門です。