今山の農村舞台

公開日 2007年11月08日

勝浦町沼江の今山地区にある今宮(いまみや)神社に残る農村舞台が、約70年ぶりに人形浄瑠璃芝居を上演していた当時の形に、地元の人たちの手によって復元されました。

 

農村舞台は江戸時代頃から、村人が歌舞伎や人形芝居を上演し楽しむために、各地に設けられた舞台です。人形浄瑠璃芝居が盛んであった徳島県には多くの農村 舞台があったことが知られています。しかし現在定期的に舞台として使用されているのは、犬飼(いぬかい)の農村舞台と坂州(さかしゅう)の農村舞台の2つ だけで、現存はしていても多くの農村舞台はひっそりと眠り、人々の記憶から薄れていきつつあります。

 

今山の農村舞台も長い間雨戸を閉ざして建っていました。しかし徳島市出身で東京理科大学川上光洋氏の調査・研究によってこの舞台が「仮設式舟底舞台」とされる特徴的な形式をもつものだとわかりました。

 

農村舞台には、大きく分けて、床全面が平らな平舞台と人形芝居上演向けの、床面に上段、下段の段差をもつ舟底舞台と呼ぶ形式があります。今山の農村舞台は 平常時は平舞台ですが、人形芝居を行う時には床に段差を設け舟底舞台に転換できるしくみになっています。このような仕組みをもつ「仮設式舟底舞台」の現存 数は非常に少なく、本来のしくみを維持しているのは今山の舞台と群馬県赤城村にある上の森の農村舞台が確認されているだけだということです。

 

川上氏から今山の農村舞台の意義を聞いた、今山地区の有志の人々が、地区の舞台の本来の姿を取り戻してみようと集まり、復元の作業が行われました。

 

地区の人々の息のあった共同作業、培われてきた記憶と技術が重なり合い見事に舞台は人形芝居向けの舟底舞台に変身し、「仮設式舟底舞台」の機能が蘇りました。作業の後には勝浦座より借り受けた人形が地元の人たちによって舞台上で操られました。

(資料提供:徳島県博物館)

 

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上演風景

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農村舞台

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